【海外:障害平等研修 実施報告】より~モンゴル障害平等研修100回達成!

【海外:障害平等研修 実施報告】より~モンゴル障害平等研修100回達成!
日本の皆さんこんにちは。モンゴルより千葉です。

11月になりこちらはめっきり寒くなってきました。朝はマイナス15度くらい、最高気温もマイナスが多くなってきました。ただ室内には常時暖房が完備され、普段着でまったく問題ありません。また天気も良いので、実は寒さはあまり気にならないのです。外を歩く15分くらいは寒いですが(苦笑)。

さて、これから益々寒くなり、最低気温はマイナス35度くらい。でもそんな寒いモンゴルから、暖かい話を届けられればと思っています。
さて最近プロジェクトで一番嬉しいニュースは、モンゴルで障害平等研修(DET)が100回実施されたことです!!

初めてDETを実施したのが2017年2月6日。幼稚園の先生が対象でした。そして10月17日に100回目を実施。障害者の自立生活センターを対象にしたDETでした。わずか8ヶ月で100回。これは世界的にも一番速いのではないでしょうか。

この間、実に3,000人以上がDETを受講しました。モンゴルの人口は約300万人。だから人口の0.1%がDETを受講したことになります。ということは、DET受講人口密度(そんなものがあるか分かりませんが)も世界一高いのがモンゴルだと思います。

途上国にいていつも感じることは、「障害の社会モデル」や「社会の障壁」という考えをまったく聞いたこともなく、障害を自分の責任と感じたり、障害者の権利を主張する、なんていうことを想像すらしない障害者が多いことです。すると自信が失われ、自宅に閉じこもる障害者が多くなります。でもDETを受講すると、社会の障壁に気づき、障害が社会の態度や差別によるものだと気づくようになります。すると外に出たい、社会に参加したいと思う障害者が増えていきます。また当然、社会一般に障害の社会モデルの考え方は知れ渡っていません。だから障害者は弱者で助けが必要な人だとみんな考えています。でもDETを受けると、社会の障壁に気づき、差別や偏見が問題ということも理解してくれます。すると皆さん、身近な物を改善したり、障害者が必要な環境やサービスを考えてくれるようになります。こんな変化が、いまモンゴルで起こっています。

今後もプロジェクトではDETを実施するとともに、社会環境整備を進めていきます。DET受講生を5千人、1万人と増やし、モンゴルでは障害の社会モデルが当たり前、という環境になるようにプロジェクトを進めたいと思います。(2017.11.5)
千葉久夫 (JICA専門家・チーフアドバイザー/ウランバートル市における障害者の社会参加促進プロジェクト)

事務局より:
千葉さんと照屋さん(DETファシリテーター)が推進するモンゴルの取り組みはJICAの機関紙Mundiでも大きく取り上げられています。(10ページ、16ページ)。

また南アフリカのDETファシリテーターのZukiswariさんもJICAの長期留学プログラムで東洋大学の修士課程にて学んでいます(17ページ)

https://www.jica.go.jp/publication/mundi/1712/index.html