障害平等研修フォーラムではメールマガジン「DET通信【Let's Take Action】」を発行しています。購読希望の方は障害平等研修フォーラム事務局まで(E-mail:info@detforum.com、Tel:070-5363-6443)お気軽にご連絡頂ければと思います。

最新号(2018年5月16日発行)

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■ DET通信【Let’s Take Action】 Vol.12───(2018年5月16日)
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障害平等研修フォーラム会員の皆さま、また応援してくださっている皆さま、こんにちは!

ゴールデンウィークがあけ、早くも夏のような暑い日が続いていますね。今回のメールマガジンでは、そんな陽気にぴったりの地球規模のお祭り!アースデイ東京でのDET紹介と市議会議員に当選!!高橋さんのファシリテーター紹介というビッグな内容でお届けします。★今月のメルマガもどうぞ最後までお楽しみください♪

◎今月のトピック◎

[1] DET紹介: アースデイ東京 実行委員等向けDET
[2] ファシリテーター紹介:高橋 宣隆さん
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【1】DET紹介:アースデイ東京 実行委員等向けDET
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〜日本初の合理的配慮付き野外イベントを目指して!!!

【アースデイ東京】実行委員・出店者・ボランティア向け 障害平等研修〜

毎年、10万人以上の人が代々木公園に集まるイベント【アースデイ東京】。これは、世界的に開催されている「地球のことを考えて行動する日 アースデイ4月22日」の、東京のイベントです。

今年の【アースデイ東京】は、 SDGsを基本理念とし、環境・人権・自然などを考えることをテーマとした たくさんのブース出店や、音楽ステージ、トークライブが行われました。

SDGsの目標の一つに「人と国の不平等を無くそう」というものがあります。これに則り、【アースデイ東京】関係者に向けて、『アースデイ東京を、障害者を含めた全ての人が、平等に楽しめるイベントとする』という目標を掲げた5回のDETが実施されました。

(アースデイDETの様子 1分動画)

(アースデイ東京 実行委員向けDETレポート)

DETを受け「障害の社会モデル」の視点を獲得した参加者たちは、その目標に向けて、アースデイ東京の問題点と、それに対する解決の方法を話し合い、それを実行しました。

●駅からの 車椅子ユーザーや視覚障害者に対してのアクセスマップを作りました!!!

(DETファシリテーター高橋さんが 原宿駅より アクセシビリティ検証をし、動画を作成しました)

●聴覚障害者も外国の人もトークライブを楽しめるように、「UDトーク」で日本語と英語の情報支援をつけました!!!

(アースデイ実行委員会障害者対応部長を務めたDETファシリテーター石川の合理的配慮紹介動画)

●手話のできる人・ヘルパー・ガイドヘルパー・相談支援専門員・音楽療法士がいる「障害者・高齢者サポートセンター」を設置。テント内にベンチやベッドの休憩スペース、着替えスペースを設置しました!!!

(障害者サポートセンターの動画)

●障害者専用トイレをレンタルして設置しました!

(昨年アースデイボランティアをしたDETファシリテーター中村さんの御礼動画)

●DETを受講したブースでは、筆談用の紙とペンを用意しまし、レイアウトを車椅子目線で考え直しました!

●ステージ客席に、障害者・高齢者・子ども連れ専用スペースを作りました!

などなど…

たくさんのアイデアがDETの話し合いの中で出され、

これを実現する為に、アースデイ東京として、クラウドファンディングを立て、40万円を超える寄付を集め、実行に移しました。

野外イベントで、ここまでの合理的配慮のあるものは、日本で初めてではないでしょうか?

そして、

1日目に【アースデイ東京】に来た障害者たちがこれをSNSで発信し、それを見た障害者たちが2日目にたくさん来てくださいました。非常に嬉しいことです。

更に!

とてもとても嬉しい後日談が……!!!

この【アースデイ東京】に遊びに来た障害者のAさん。

野外イベントなのに、たくさんの合理的配慮があることや、スタッフの対応が素晴らしいことに感動し、ネットで【アースデイ東京】を見てみたところ、

『アースデイ東京のスタッフたちは「DET障害平等研修」を受けています』と書かれていたのを読んだそう。非常に興味をもたれたそうで、

そして、Aさんは、今年のDETファシリテーター養成講座に応募をされました。

多くの人に影響を与えられる場を作ってくださった【アースデイ東京】関係者の皆様、ありがとうございました。

来年も、障害平等研修フォーラムとして、【アースデイ東京】を、更に素晴らしい野外イベントとするための協力をさせていただきたいと思っています。

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【2】ファシリテーター紹介:高橋 宣隆さん
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「自分で書いたDETの行動リストを実現させるために、議員になりました!」〜高橋宜隆さんにインタビュー〜

――今月、5月1日付けで、伊勢崎市議会議員となった、DETファシリテーターの高橋宜隆さんにお話をお聞きします。

以前、このメルマガの中で高橋さんにインタビューさせていただいた時は、

「6年前に頚髄損傷となり、数年間 障害受容ができなくて 死を考える日が続きましたが、

その後、車椅子ユーザーならではの仕事をしてみようと思い立ち企業し、DETファシリテーターともなって社会変革を目指しているところ…」という高橋さんのお話をお聞きしましたね。(DETメールマガジン Vol.6(2017年1月13日配信)に掲載)

今回は、その後、市議に立候補された理由を中心にお聞きしたいと思っています。

高橋――DETファシリテーターを始めた頃には、議員になろうなんて考えてもみなかったのですが、

地元でDETを進めれば進めるほど、自分が議員にならなくては、と思うようになったのです。

――高橋さんは、「DET群馬」という団体を、同じく群馬のファシリテーターである飯島さん、細野さんと立ち上げ、県内で2000人以上にDETを実施されましたね。

高橋――はい。その2000人の人と対話していく中で、様々な「障害という問題」が出てきました。その問題を解決するために、参加者と話し合いをしていくのですが、逆に、自分たちでは解決できない問題も数多くあるということが、DETをやればやるほど見えて来ましたね。

――でも、私も群馬で何度もDETを実施しましたが、その中で出た行動リストが実際に行われ、問題が解決していく様子もたくさん見てきましたけどね。

高橋――そうなんですよ。学校で、特別支援学級の子どもも他の子どもと平等に名簿に掲載されるようになったり、お祭りでは仮設障害者トイレが置かれたり、障害者トイレマップが作られたり、、、

何より地域の人たちの心に変化が見られるようになりましたし、街の変化も実感しました。

でも、やはり、「地域の小学校にエレベーターがないので、車椅子を使っている私の娘はそこに通えない」というような問題がDETの中で出てきた時には、議員さんや行政に要望するしかないんです。その要望をしながら、障害当事者である自分自身が議員になれば、もっともっと街が良くなっていくのではないか?と、強く思うようになりました。

――なるほど。「障害者議員だからできることもある」と。

高橋――車椅子ユーザーである私は、DETを知る前は、やはり車椅子ユーザーの障害の問題ばかりを考えていましたね、自分自身の不便なことばかりに目がいきました。ただ、DETファシリテーターをやると、他の機能障害を持つ人たちの問題はもちろん、高齢者や子どもや、伊勢崎市に多く暮らす外国人の問題なども考えられるようになりました。この自分の視野の変化は、DETファシリテーターをやらなければ、自分には起きなかったことと思います。

この視野を持てたのは、まさしくDETのお陰ですし、また、この視野を持てた車椅子ユーザーとして、市政に取り組みたいのです。

――その高橋さんの想いに賛同してくれた人たちの応援で議員になれたわけですね。

東京からもDETサポーター田島先生がお手伝いに行ったり、DET群馬の人や、ファシリテーターの飯島さん細野さんの応援もありましたね?

高橋――私の選挙カーは、日本初の選挙カーなんですよ(笑)

選挙カーの運転を、車椅子ユーザーの細野さんがやり、その選挙カーの中には、私ともう一人、車椅子ユーザーの飯島さんが乗るという、、、私の選挙カーには、歩ける人はいませんでした(笑)

でも、そのメンバーで街頭演説をしていると、通りがかった人から、「私は精神障害者です、応援しています。」「私の子どもは発達障害児です、障害児も行ける遊び場を作って欲しいです」というような声をたくさん掛けられました。

「障害当事者が議員にならなければ」と痛感した瞬間でした。

――「障害者議員」って、何人くらいいるのでしょうね?

高橋――「障害者議員」というふうには公開されないので、正確にはわからないのですが、

自分を含めて車椅子ユーザー議員は9人か10人、聴覚障害者議員が3人、視覚障害者議員が2人 と聞いています。

障害者議員たちでつくっている会「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」というグループがあり、私も参加しました。

先日はこの「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」で衆議院議員会館に行き、省庁の方と意見交換会もしました。…が、私は新米だし勉強不足で、全く発言できなかったのですが(苦笑)。

――高橋さんに期待して票を投じた人たちのためにも、車椅子議員として、もっと活躍して欲しいです!

これからの目標は?

高橋――DETファシリテーターをやっていた時に、群馬の小学校6年生が、【障害って、 社会を考えるヒントである】と書いたんですね。

この言葉が、自分の心の中に非常に大きく残っているんです。「障害」をネガティブなものと考えるのでは無く、「ヒント」として大事にしていく…小学生に教えられました。

これは、議員としても心がけて行くべきことですし、車椅子議員として、自分の姿を広く発信し、多くの人に見てもらうことを皆さんの「ヒント」として、

皆さんと一緒にたくさんの問題を考えていける議員になりたいと思っています。

「自分の姿を発信する」…いつもポジティブな高橋さんの姿は、多くの人の心に訴えて行くものが、確かにあります。

議員として、DETファシリテーターとして、これからもずっと、私も高橋さんを見続けて行きたいと思いました。(インタビュアー 石川明代)

※障害平等研修フォーラムでは、法人の会員となり活動を支援いただける方を募集しております。

詳細はホームページをご覧ください。 https://detforum.org/?page_id=1623

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